2023年11月6日（水）コォ・マネジメント株式会社主催、「採用セミナー ㏌ 岡山 秋 2023」が開催されました。

第一部では、日本を代表する人事コンサルタントである曽和 利光（そわ としみつ）氏によるセミナーが行われ、 第二部では曽和氏とコォ・マネジメント株式会社代表 窪田司が対談を実施。

「面白いほど採用できる採用基準と募集方法」をテーマに、全国各地で採用に成功した企業の事例や取り組みについて、またそれらの取り組みがなぜ各々の企業に適していたかなど、背景を含めたお話を伺いました。

このレポートでは24年卒の動向と取り組むべき採用手法、そしてこれからの傾向についてお話しくださった曽和氏によるセミナーと、窪田とのディスカッションをふり返ります。

第一部 「面白いほど採用できる採用基準と募集方法」 曽和 利光氏

第一部では「面白いほど採用できる採用基準と募集方法」をテーマに、曽和氏による講義が行われました。

この日のセミナーには会場とオンライン、オンデマンド配信を含めて定員を上回る50名以上が参加。

「採用界では知らない人はいない」と言われる曽和氏が来岡されることで、会場参加者の申込は早くから満員御礼となりました。

期待と緊張が高まる会場とは反対に、曽和氏は非常に和やかなムードで開始時間よりかなり早くに登場。

すでに揃った参加者とにこやかに挨拶を交わしながら、開始時間を迎えました。

この日曽和氏は自己紹介の後、「すでに肌で感じている人が多いとは思う」と前置きし、これから採用を行う企業が、どういった環境の中で戦っていくのかを数字で解説。

採用活動を行っても、当初目標としていた人数を6割の会社が採用できていない現状と、学生の就職活動量が激減していることを加えました。

ここで曽和氏は就職みらい研究所のデータをもとに、就職活動プロセスごとの実施状況を挙げ、プレエントリーから採用までの人数の推移を提示。

プロセスごとの推移を見ることで、どの段階に課題があるのかを見極め、大手とは異なるアプローチをどう仕掛けていくかを説明しました。

新卒採用活動後半戦、まだできること

続いて曽和氏は「新卒採用活動後半戦、まだできること」と題し、大手に真っ向から勝負を挑むような戦い方ではなく、大手の採用スケジュールを把握し、中小企業が大きなリスクを背負うことなく、優秀な人材を採用していくためのメソッドを紹介しました。

曽和氏はここで、
・ プレエントリー未接触者への再アプローチ
・内定者への「同級生リファラル」の実施
・「大手落ち組」へのアプローチ
・こんなときこそ大学まわり
として、これまで出会っていなくても、こちらからの「攻め」のアプローチで接触を持てる学生の存在を示唆。

また「最終面接合格」と「内定」の区別をつけることで、学生からの内定辞退をいかに避けるかについて言及しました。

コォ・マネジメント主催の採用セミナーでは、毎回といっていいほど質問が挙る内定辞退問題について、曽和氏はリクルートなどの例を挙げながら、適切な方法でありながら、なおかつ内定を確実にさせておく方法について丁寧に説明しました。

また25年卒の新卒採用ではインターンシップの状況が大きく変わってきていることを挙げ、続けて採用における「ブルーオーシャン」はどのように狙うのかを具体的に解説。

そしてこれらの採用を進めていくにあたり、改めてオンライン採用の重要性を説いた曽和氏。

都心では100％に近い企業がオンライン採用を行っているのに対し、地方では多くの企業が対面での感触のよさなどを理由に取り組まない、あるいはやめていく企業が多いことに警鐘を鳴らしました。

セミナーの終盤、曽和氏はスカウト型採用を重点的に解説。

サントリーや電通、リクルートといった誰もがイメージしやすい会社を例に挙げながら、それぞれの会社が自社の求める人材をどのように絞り込んでいったかについて話し、ペルソナ設定の仕方とそれをどう活用していくかを詳しく説明して第一部を締めくくりました。

第二部 対談 採用に成功している企業の採用テクニック

第二部では一部から引き続き曽和氏と、コォ・マネジメント代表の窪田が対談を実施。

「採用に成功している企業の採用テクニック」をテーマに、セミナー以上に成功例や失敗例、戦略について踏み込んだ質疑応答や議論が展開されました。

質問は会場参加者からとされていたため、岡山という地方で奮闘する中小企業から、自社の認知度の低さや内定辞退、オンライン採用や合同説明会の難しさ、また曽和氏が自社で行ったスカウト型採用の詳細や発信すべきコンテンツの内容など、多岐に渡る質問が寄せられました。

曽和氏の回答からは、採用界の四巨頭と呼ばれる人物でありながら、ペルソナの絞り込みを時間と手間をかけて行い、ターゲットとする学生個々にスポットを当て、アプローチや採用の手順を非常に丁寧に踏んでいることなどが伺え、様々な方面からの地道な活動が、最終的に大きな成果となって表れていることが感じられました。

大手や全国の企業の例に加え、窪田からは岡山ならではの企業の採用事例や、「岡山だから通用する採用手法」など、コォ・マネジメントのセミナーならではの「ここだけの話」が盛り込まれ、大きくうなずく参加者の姿も。

見聞きすることのない世界と身近な現実が融合し、地方であっても大企業ではなくても様々な取り組みを自社バージョンとして取り込み、成功への道を拓いていけることを実感して講義は終了しました。

ご登壇いただいた曽和様、「東京の情報は3年遅れで伝わる」といわれる岡山に、洪水のように大量のリアルな採用の現実をお届けいただきありがとうございました！

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