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ポテンシャル採用を成功させる構造化面接3つのポイントと成功事例

  • 2022.11.29
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前回このコラムでは、採用が困難になるといわれる今、注目を集めるポテンシャル採用について、メリットやデメリットと、自社が求める人材獲得に結びつけるための上手な活用方法を窪田にヒアリングしました。

前回の記事はこちら
👉新卒採用や未経験者採用を成功に導く「ポテンシャル採用」を解説

今回はポテンシャル採用を成功させる強力な手段として、コォ・マネジメント代表の窪田が著書「『化ける人材』採用の成功戦略」のなかでも紹介している構造化面接を中心に取材。

なぜポテンシャル採用には構造化面接が有効なのかについて、実例を交えて聞きました。

ポテンシャル採用と構造化面接

近年、即戦力採用ではなく求職者が将来発揮するであろう能力の伸びしろを評価する、「ポテンシャル採用」が注目されています。

窪田も自著の中で、この採用方法を「新卒の学生や未経験者のなかから、成長の可能性を秘めた人材(=化ける人材)を見極めて採用し、会社に貢献する人材に育てていくこと」と解説し、その有効性を強調。

コストを抑えて優秀な人材を採用できる手法とし、大企業はもちろん、地方企業や中小企業など「採用弱者」にとっても非常に強い武器になると説明しています。

さらに自著では、新卒者や未経験者の持つ「成長の可能性(=ポテンシャル)」を見極める方法として、構造化面接を紹介。

従来型の非構造化面接との違いを挙げながら、ポテンシャル採用との「相性の良さ」の理由を解説しました。

ここで構造化面接について説明すると、面接官が経験とその場の流れで質問を変えていく従来型の面接(非構造化面接)に対し、構造化面接はあらかじめ評価基準と質問項目を決めておき、マニュアル通りに面接を実施していく手法を指します。

従来型の非構造化面接のメリットは、両者がスムーズにコミュニケーションを取ることができ、面接官とのフィーリングがフィットするかどうかがはっきりと感じられる点であり、デメリットは質問に統一性がないため、一定の基準で求職者を評価できない点

「極論を言えば非構造化面接に選考効果は期待できない」と窪田は言います。

一方構造化面接のメリットは、複数の人に対して同じ質問ができるため、求職者同士を比較しやすく、高い選考精度が得られる点で、デメリットは質問が完全にマニュアル化されているので、面接官や求職者に機械的な印象を与えてしまう点。

対面での面接が一般的だったこれまでは、「コミュニケーションが不自然」という理由で敬遠されてきましたが、オンライン面接が激増した近年、構造化面接のマニュアル化されたやりとりが惹きつけにおいてもプラスの効果を発揮。

話すタイミングが食い違いやすく、「フィーリングが合わない」と感じさせていたオンライン面接において、求職者は構造化面接のシステマティックなやり取りに「自分の考えていることをしっかり伝えられた」、「話を聞いてもらえた」と感じており、採用者側が知りたいと思っている情報、つまり求職者のポテンシャル(伸びしろ)についての情報がより得られやすくなっています

これがまず、構造化面接がポテンシャル採用にとって有効であるとする理由のひとつです。

ポテンシャル採用を成功に導く、構造化面接での流れとシーンの特定

ポテンシャル採用に構造化面接が有効な2つめのポイントとして窪田は、面接の流れについて説明しました。

構造化面接は一般的に、下記①~⑥の流れで行われます。
① アイスブレイク
② 自己紹介(面接官・求職者とも)
③ 質問1
④ 質問2
⑤ フィードバック
⑥ 質疑応答

ポテンシャルを見抜くための面接の場合、アイスブレイクと自己紹介の目的は相手の緊張を解くことに特化していると窪田。

定番の天気の話や会場へはどのように来たのか、オンラインであれば音声が途切れていないか、万が一接続が切れてしまった場合の説明など、オリエンテーションを含めた内容で十分と話します。

アイスブレイクは、③④での質問に答える際、本人らしさを出せると判断できる状態になるまで、時間をかけてでも緊張をほぐすものであるべきとのこと。

「実はアイスブレイクには、求職者の本質を見抜く意図があった」といった裏をかくような雑談を行うのではなく、③④で求職者の持つ本来の能力(=ポテンシャル)をうまく見極める環境を整えることが、構造化面接におけるアイスブレイクの役割であると解説しました。

さらに窪田は3つめのポイントとして、正しい構造化面接では③④の質問が行われる際、相手の置かれるシーンを特定しておくことを指摘。

一般的に人は積極的に起こした行動と、指示されて起こした行動では発揮するパフォーマンスが全く異なるため、行動を起こすに至った経緯をまず特定することで、「一定の状況下でどういった行動を取るのか」という業務下でのポテンシャルを測ることができると話しました。

例えばとある高額な商品を扱う会社では、新入社員が結果を出すまでに時間がかかることがわかっていました。

ここで見極めたいのは、求職者の「困難な状況の下でも諦めずに試行錯誤し続ける」力。

そこで面接では「あなたはどのように成果を出しますか?」といった、求職者が自動的に良い状況を想定してしまう質問ではなく、「結果が出せないときに、どのような行動によってその状況を脱却しますか」とシーンを特定した内容に変更し、すべての求職者に質問。

質問の内容だけでなく置かれた状況を統一し、求職者がどういった解決策を示すかを評価していくことがポテンシャルの見極めを成功させるポイントになったと振り返りました。

ポテンシャルを見抜く、構造化面接の成功事例

窪田は最後に、構造化面接は求職者のポテンシャルを見極める効果が高いものの、十分な効果を得るには「見抜くべき能力・見抜くべきタイミング・見抜くための方法」を事前に決めておくことが重要になることを示す例として、以前支援したとある会社の例を紹介しました。

まずその会社は、自社が求める能力として「体力」を上げていたと窪田は振り返ります。

ただ面接で「あなたは体力がありますか?」と聞いても、YesかNoでは自社で活躍する能力を秘めた人材かどうかは見極められません。

そこでこの会社が求める「体力」が何かを分析してみたところ、スポーツで結果を出した、病気をしない、といった要素ではなく、「長く働いていくなかでは体調の良し悪しがあるけれども、どんな時も一定のパフォーマンスが発揮できる人材かどうかを見極めたい」という意味であったことが明らかに。

そこで面接では、「疲れたときに業務に対してどのような影響が出るか、それを脱却する自分なりの対処法はあるか」とシーンを特定して質問を構成。

体力は自社にとってマスト要件であったため、面接では早い段階でこの質問をぶつけ、自分の体調を管理し、コントロールできる人材を見極めることができたといいます。

さらにこの要件を見抜くにあたっては、事前に社内で協議し、自社でハイパフォーマーと呼ばれる人材が共通して持っている要件を抽出。

同時に、なかなか成果が出せないでいるローパフォーマーの弱点も抽出し、マスト要件を絞り込んでいきました。

このようにポテンシャル、つまり「求職者が将来発揮するであろう能力」を見極めるには、潜在的な能力や思考を引き出せる環境を整え、事前にシーンや人材要件を絞り込み、一定の基準で求職者を評価することがポイントになると窪田。

有効な手段を正しく使用し、採用をより強固なものとしていくことが成功への道であると締めくくりました。

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Writer この記事を書いた人

ライター  黒田 靜

岡山県在住ライター。企業メディアや会社案内、採用関連、SNSのコンテンツ制作などを数多く手がけている。対面やオンラインでの取材をもとにした、人やモノの背景に深く切り込むストーリー制作が得意。

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