2020年6月、大好評のうちに第1部を終えたRally。
2020年8月からは新たな受講生を迎え、よりアップデートした内容で第2部がスタートしました。
「中小・零細企業経営者のためのリアルな人事・組織を学ぶ」と題した講座。
今回は第1回目の講座の中で窪田が話した「中小企業はなぜ組織づくりと人事に失敗するのか」をピックアップしてご紹介します。
会社の経営者が、組織づくりを苦手とするのは仕方がない
参加者からは様々な質問が投げかけられ、プログラムにない談話も盛り込まれていくRally。
今回スポットが当てられたのは、多くの中小企業の経営者が苦手意識を持つ組織作りについてでした。
窪田は彼らが組織におけるトラブルをなかなか解決できない理由を、「中小企業の経営者はもともと、技術者や最前線で営業をしてきた人物が多い。現場は忙しく、組織や経営について勉強する時間が持てていない」と説明。
広い世界を知る立場にいるように見えて、他社の人事組織について知る機会も、多くの事例に触れるチャンスも十分ではないと自身の知見をふり返りました。
「いい人ばかり入れたはずなのに、人数が増えたら問題ばかりが起こるようになった」。
「昔はすべて把握できたのに、部下に任せたら新しいトラブルが発生した」など、経営者の悩みはよく似ているといいます。
窪田はこの理由を、「中小企業の採用はもともと足りない人材の補足であり、人数が増えた先にある”組織”を見通して、適材適所の採用を行うわけではないから」と解説。
年間数百人の新卒を採用し、数千人の評価データを持つ大手企業のやり方では通用しないと中小企業の状況を加えました。
また中小企業の組織や人事の問題が厄介なのは、ケースバイケースでしか正解を導くことができないところであるとも。
組織や人事のあり方を変えるのか。あるいは評価制度や採用のやり方を変えるのか。
過去の成功例には再現性がなく、うまくいくかどうかは確率論でしかないと話しました。
組織や人事での問題は表面化しにくく、発覚したときにはすでに取り返しがつかない状態であることも多いと窪田。
上層部が知ったときはすでに、コストをかけて育成した人材の退職が止められないことは多かったと話しました。
誰の立場から、どの効果を狙って、どれだけの影響を考えるのか
窪田はこれまで数々の中小企業と関わってきた経験から、組織や人事問題の解決方法として、プロのコンサルタントによる研修を行うもひとつの手段であると紹介。
ただ人選の際は、「誰の立場から、どのような効果を狙って、どれだけの影響範囲を考えた研修を行っているのかに注意すること」と基準を示しました。
窪田はまた、現在世にある多くの組織・人事セミナーは、「今、自社をどうするか、今、自社に足りないものは何か」という、人事部長や部門長的な観点(視座)を満たすための内容になっていると指摘。
経営者が求める「企業の未来のために成果を出す」内容にはなっていないと話しました。
「中小企業の組織人事の問題解決は、足りない部分をだましだまし補いながら、世の中のルールや型のなかでうまくやることではない。成果を出すための方法は問わないと柔軟な意識を持つべき」と強い口調で伝えた窪田。
中小企業の組織作りにおいて必要なことは、現在の枠組みを超えてでも自社の方法でPDCAを回し続けることとし、5年後10年後を見すえた組織づくりを提案しました。
今回講座でお話しした組織づくりについての総合的な内容は、第1回 Rally「高収益組織をつくるための組織体系」講座レポートで詳しくお伝えしています。
ぜひそちらもご覧ください!
(text by:黒田 靜)