2025年12月、コォ・マネジメント主催による採用セミナーが、岡山の会場で開催されました。
本セミナーは今回で15回目を迎え、人事・採用に関わる経営者や担当者に向けて、継続的に学びの機会を提供してきた取り組みです。
今回のテーマは「人事と採用を科学する」。
感覚や経験則に頼りがちな人事・採用を、改めて原理原則の視点から捉え直し、自社の判断や取り組みを見つめ直すための時間として企画されました。
このレポートでは、伊達氏の講義を通じて示された「人事・採用の現場で起きている現象をどう読み解き、どう判断していくか」という考え方と、対談や質疑応答から見えてきた参加者それぞれの課題意識をふり返ります。
第一部 講義から見えてきた、人事・採用を考える視点

第一部の講義では、伊達氏から人事・採用という領域を「方法論」ではなく、「目の前で起きている現象をどう読み解くか」という視点から捉え直す考え方が示されました。
日々の現場では、人間関係の問題や離職、定着、育成の停滞といった出来事が、突然の問題として立ち現れることがあります。
しかし講義では、それらを単なる結果として受け止めるのではなく、「なぜ起きているのか」「背景にどのような要因があるのか」を丁寧に観察し、整理していく姿勢の重要性が語られました。
その際に活用できるのが、これまで人事領域で積み重ねられてきた理論やフレームワークです。
講義では、人は意識しなければ、自身の経験や直感に基づいて判断してしまいがちであることが共有されました。
現場で培われた経験則や感覚は重要な要素であり、それ自体が否定されるものではないものの、一方で、判断が難しい場面や、これまでのやり方が通用しなくなっている局面においては、別の視点を持つことが求められるようになります。
伊達氏からは、科学的な理論やフレームワークを「正解を導くための答え」としてではなく、意思決定や判断を支えるための武器として使っていくという考え方が提示されました。
理論を知ることが目的なのではなく、目の前の現象を多角的に捉え、自社にとってより納得感のある判断を行うための材料として活用していく。
そのスタンスが、繰り返し強調されていた点が印象的でした。
また、大企業と中小企業では置かれている状況や選択肢が異なる一方で、「現象を観察し、背景を読み解こうとする姿勢」そのものは、規模に関わらず共通して持つことができるという示唆もありました。
他社の成功事例や流行の手法をなぞるのではなく、自社で起きている出来事をどう理解し、どう判断するのか。そのための思考の軸を持ち帰ることが、この講義の大きな価値だったと言えるでしょう。
具体的な手法や結論を提示するのではなく、判断の前提となる思考の枠組みを学ぶ。第一部の講義は、人事・採用に向き合ううえでの「考え方の土台」を整えていく時間となりました。
対談・質疑と場づくりが生んだ深まり

第一部の講義で示されたのは、理論やエビデンスを「答え」として受け取るのではなく、目の前で起きている現象を読み解くための視点として使っていくという姿勢でした。
その考え方は、第二部の対談や質疑応答の時間を通して、より具体的な形で立ち上がったように感じられます。
対談では、講義で触れられた視点を起点に、現場で起こりがちな判断の迷いや、認識のずれといったテーマへと話が広がっていきました。
抽象的な理論の話にとどまらず、「実際の現場ではどう観察し、どう考えるのか」という問いが、主催者とのやりとりを通して補足され、参加者の理解が一層深まっていく様子が印象的でした。
質疑応答では、参加者が自社の状況を踏まえた質問を投げかける場面が多く見られました。
人事や採用の課題は、企業ごとに事情が異なるため、一般論だけでは判断しきれないことも少なくありません。
だからこそ、参加者一人ひとりが「自社で起きている現象」を言葉にし、それに対してどう向き合えばよいのかを考える時間そのものが、大きな学びとなっていました。
質問と回答を通じて共有されていたのは、即効性のある解決策ではなく、「どのような視点で状況を捉え直すか」という考え方でした。
講義で示された思想が、対話を通じて参加者それぞれの文脈に落とし込まれていく。
そのプロセスを、会場全体で共有しているような空気がありました。
資料の配布やギフト、書籍プレゼント企画などを通じて、会場は終始やわらかな雰囲気。
ときにユーモアも交えた伊達氏の講義や対談に触れ、理解を深めたうえでのこうした時間に、参加者からは笑顔や前向きな反応も多く見られ、リラックスした空気の中で質問や対話が行われていたことが印象的でした。
講義で得た視点を、対話を通じて咀嚼し、自分の中に落とし込んでいく。
対談や質疑応答では、その「考えるプロセス」そのものが体験できる時間だったことを印象づける内容となっていました。
考え続ける人事・採用の入口として

人事や採用の現場では、日々さまざまな出来事や課題が目の前に現れます。
離職、定着、育成、評価──どれも単発の問題ではなく、背景や要因が複雑に絡み合った結果として起きているものです。
そのため、すぐに使える正解や万能な手法を求めるほど、判断に迷いが生じてしまうことも少なくありません。
今回のセミナーは、そうした課題に対して「答えを教える場」ではなく、「どう観察し、どう考え、どう判断するか」という姿勢そのものを見つめ直す時間となりました。
理論やエビデンスは、現場の感覚を否定するものではなく、判断を助け、思考の幅を広げるための道具として使える。
その考え方に触れたことが、多くの参加者にとって新たな視点となったように感じられました。
ご登壇いただいた伊達さん、人事・採用の現場で起きている現象をどのように捉え、考え、判断していくかという視点を、講義や対談を通じて丁寧に共有いただき、誠にありがとうございました。
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