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「採用カンファレンス in 岡山 2021」開催レポート

  • 2021.10.26
  • 活動レポート

2021年9月9日(木)から10日(金)にかけて、コォ・マネジメント株式会社主催「採用カンファレンス in 岡山 2021」が行われました。

このカンファレンスでは「採用の本質的な変化が企業の競争力を変える」をサブタイトルに掲げ、”採用界の四巨頭”とも言えるプロフェッショナルをお招きして、講演を行っていただきました。

ここでは2日間に渡る、濃密なカンファレンスを振り返りたいと思います。

9月9日(木) 登壇、服部泰宏氏による「採用学から考える地方採用」

9月9日、最初の登壇者としてご講演いただいたのは、神戸大学大学院経営学研究科

で採用学をご研究されている服部泰宏先生。

日本で初めて採用を「採用学」として扱い、勘と経験頼りに行われていた企業の採用に再現性を持たせることで、継続的な成功に導いておられる方です。

この日服部先生が取り上げたのは、実際の学生や企業例をご覧になって感じている現状と課題、そして「企業はなぜ採用を行うのか」という根本的なテーマ。

ASA理論をもとに、組織維持のメカニズムを「Attraction(惹きつけ)・Selection(選抜)・Attrition(自然減)」の観点から採用に当てはめ、「企業はどんな場面でどういった課題を抱え、それに対して何に取り組むべきなのか」をご教授いただきました。

採用でいえば「募集」にあたるAttractionの部分で服部先生が強調されたのは、「リアリズムに基づく採用を実施する」ということ。

すでに成功した企業が10年以上も前から行ってきた取り組みや、若い求職者がどういった言葉やアプローチに心を動かされているのかをご紹介いただきました

また「選抜」では、自社で求める「優秀な人材」を改めて定義し、コロナ禍によって失われた優秀な人材との「偶然の出会い」をいかに再構築していくかをオンライン採用の難しさを含めてお話しいただきました。

9月9日(木) 登壇、杉浦二郎氏による「地方から採用を考える」

同日2人目の登壇者としてご講演いただいたのは、株式会社モザイクワーク代表の杉浦二郎先生。

この日は同社が、新潟にあるサッカーのクラブチーム「アルビレックス新潟」のオフィシャルクラブサポーターに就任されたことを、自己紹介の一環としてご紹介されました。

オフィシャルクラブサポーター就任の目的と、就任後に自社で行われた斬新な採用手法についてのお話はスタートから視聴者を圧倒。杉浦先生が企画・実践されてきた事例の数々には、服部先生と同様に講話中もチャット機能を通じてたくさんの質問が寄せられました。

杉浦先生はこの日、「採用、地方、マイクロ化」の3つの切り口から講演を実施。新卒者の就職活動の変化とそれを後押ししてきた企業の特徴、呼応するサービスの細分化に言及しました。

ここで杉浦先生が強調されたのは、ダイレクトリクルーティングと呼ばれる「直接的な出会い」による採用が増えていること。中途採用でもIndeedといった検索型の就職活動が増えていること。

これらをもとにオンラインでの採用活動はどうあるべきか、特に今回は地方の現状や事例なども踏まえつつ、課題を見極め自社にとっての優秀人材を見極めていくことの重要性についてもご解説いただきました。

服部先生と杉浦先生によるパネルディスカッション

このカンファレンスでは、4人の先生方それぞれのお話もさることながら、同じ日に登壇された先生方のパネルディスカッションも見どころのひとつでした。

9日に登壇された服部先生から杉浦先生には、採用業界に衝撃を与えた「アルビ採用」、「おせんべい採用」、「ガリ勉採用」など、求職者に「刺さる」言葉をどう選んだのかが質問として挙げられました。

杉浦先生はご自身の経験をもとに、現場で働く従業員の方々へのていねいなヒアリングを通して、その会社のキーワードを探っていくと回答。

杉浦先生から服部先生へは、最近の学生が何を重視して就職活動を行っているのか、という質問が挙げられました。

これに対しては、「転職をしている人はいるのか、いるとすればどういった企業に転職していくのか」、「3年後に転職できるだけの力が身につけられるのか」といった最初の数年間のリアルな自分像に関心が高まっていると服部先生。 優秀な学生が、何を求めているかが浮き彫りになりました。

9月10日(金) 登壇、伊達洋駆氏による「地方企業のオンライン採用の進め方」

続く9月10日には、株式会社ビジネスリサーチラボ代表の伊達洋駆先生が登壇。

地方企業のオンライン採用の進め方」をテーマに、アカデミックから実践へと活動の場を移されたキャリアパスをいかし、学術的なエビデンスとオンライン採用の特徴についてお話しくださいました。

この日伊達先生が最初に触れたのは、地方企業におけるオンライン化の実情。正しく理解されることなく敬遠されている実態に対し、オンラインを深く理解することでうまく活用していく活路を提示されました。

伊達先生はオンライン採用について、「得意なこと」と「苦手なこと」の2つに分けて分析。まず多くの方がウェブ面接などで感じておられる「動機形成が難しい、伝達感が低い」という問題について、その理由と解決方法を示されました。

対するオンライン採用が得意なことについては、「評価の制度が高い、伝達度が高い」の2点であると指摘。知らず知らずのうちに大きな影響を受けている「非言語的手がかり」によるバイアスに触れ、「理解できた」感覚と、「正しく理解できたか」には大きな隔たりがあることを示しました。

以上の相対する特徴を踏まえた上で、伊達先生はオンラインが「自社にとってよい人材を選べる」可能性を高めるものであると指摘。苦手意識を論理的に克服していくためのヒントをご提供くださいました。

9月10日(金) 登壇、曽和利光氏による「採用に成功する地域企業のポイント」

9月10日2人目、最後となる講演には株式会社人材研究所の曽和利光先生が登壇。

採用に成功する地方企業のポイント」をテーマに、近年の採用の現実と学生の就職活動への取り組みの変化について触れ、対応に成功した企業の事例や、曽和先生ご自身が実際にコンサルティングの場で実践している取り組みをたっぷりとご紹介いただきました。

曽和先生が挙げられた2022年や23年の新卒採用における状況には、これまで強い危機感を持って来なかったと話す参加者でさえ、表情を強張らせるほど。

ただその後、現状を打開するための「採用ハードルを下げる」、「魅力的なコンテンツを作る」、「スカウト型採用の導入」という3つの方針が提示され、たくさんの具体的な事例が多種多様な事情を抱える企業の「これからの採用」を考える後押しとなりました。

特に曽和先生の講演では、「フォロートークの力」といった属人的な力によるものではなく、誰でも、どんな企業でも取り組める再現性の高い事例が次々に紹介され、採用のトップを走ってきた実績とパワーを実感。

参加者それぞれが今日から始められる、明日から変われるヒントを手に終了の時間を迎えました。

伊達先生と曽和先生によるパネルディスカッション

10日のパネルディスカッションでは、曽和先生から伊達先生に「オンラインでも、相性の合う人とマッチングさせることで話の内容は伝わりやすくなる、という考えについてどう思うか」との質問が。

伊達先生は「フィット感」という言葉を挙げ、考えや性格、キャリアに対する価値観などが「似ている」と感じると、求職者がその会社にフィットしているという感覚が得られやすいと説明。

曽和先生の現場での感覚が、伊達先生の知見によって裏付けられました。

また伊達先生は曽和先生に、オーディション型とスカウト型採用の違いを質問。

曽和先生はスカウト型について、「求職者のことを理解している、その人自身を強く求めていることが伝わる」、つまり動機づけが非常にしやすい採用方法であると紹介。

瞬発的なコミュニケーション能力に頼らない採用方法が急速に伸びた理由に、参加者も深く納得しました。

東京や大阪といった大都市でも、これほどの実力者が揃うことは滅多にない機会。参加者の皆さんが現状に向き合い、実際の取り組みの手がかりを手にされていることを願い、2日間に渡るカンファレンスは終了しました。

ご登壇いただいた服部先生、杉浦先生、伊達先生、曽和先生(講話順)、非常に有意義な学びの場をありがとうございました!

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Writer この記事を書いた人

ライター  黒田 靜

岡山県在住ライター。企業メディアや会社案内、採用関連、SNSのコンテンツ制作などを数多く手がけている。対面やオンラインでの取材をもとにした、人やモノの背景に深く切り込むストーリー制作が得意。

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