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学術的、実践的側面から採用を考える「出版記念セミナー in 岡山 2022」開催レポート

  • 2022.06.05
  • 活動レポート

2022年3月8日(火)、コォ・マネジメント株式会社主催、「出版記念セミナー in 岡山 2022」がオンラインで開催されました。

ここでは、株式会社ビジネスリサーチラボ代表 伊達洋駆先生と、コォ・マネジメント株式会社代表 窪田司が、2022年2月の出版を記念したセミナーと対談を実施。

著書に込めた思いや、採用の現場で実践してもらうための工夫など、出版の背景とお互いの著書に抱いた感想などを話し合いました。

このレポートでは、研究知見をいかに現場に落とし込んでいくかを取り上げた伊達先生によるセミナーと、対談で議論された採用や組織の課題とこれからについての全容をふり返ります。

第一部 出版記念セミナー「採用学から考える効果的な採用とは」伊達洋駆先生

まず第一部では「採用学から考える効果的な採用とは」をテーマに、伊達先生によるセミナーが行われました。

伊達先生が取り上げたのは、2022年2月に出版された自著の『人と組織の行動科学』(すばる舎)

「研究知見を役立てるにはどうすればいいのか」という、長くアカデミックな立場から研究を重ねてきた伊達先生ならではの着眼点に基づき、企業が実際に採用の現場で、どのように研究知見を取り入れていくことができるのかについて、4つの状況を挙げながら言及しました。

伊達先生がここでピックアップしたのは、薬と同じように、人事や人と組織を巡る解決策にも副作用がある点。

近年、ヒューマンリソース(以下、HR)業界で流行した「エンゲージメント」や「心理的安全性」などの概念について、主作用(よい効果)と副作用(悪い効果)の両方があることを具体例も挙げながら解説しました。

次に伊達先生は、「採用面接で候補者の本音を見抜くにはどうすればいいか」という、採用担当者から頻繁に寄せられる質問に回答する形で、研究知見がどのように採用に役立てられるかを紹介。

相手に与える自分の印象を良いものにしようとする行動として「印象管理」を取り上げ、従来の面接方法では候補者の本音を見抜くことは不可能に近いこと、さらに嘘の印象管理ほど見抜くのは難しいことなどを解説しました。

さらに伊達先生は企業側の対策として、事前の情報提供によって印象管理を抑えられることに言及。

候補者が面接に向けて行う準備に対して嫌悪感を抱きがちな担当者に対し、「何に対して嫌悪感を抱いているのか」を明らかにしながら事前の情報提供がもたらす効果について話し、セミナーを締めくくりました。

第二部 著者対談「人事を考える」 伊達洋駆先生 × 窪田司

続く第二部では、伊達先生と窪田が同時期に出版した書籍について、それぞれの感想と自著の紹介を行い、対談形式で人と組織についての理解を深めていきました。

まず窪田からは、伊達先生の著書で触れられていたフリーアドレスの項目を例に、HRでは自らを含め、新しいものがよいものであると認識されやすい傾向にあること、それに対しても研究知見によって正しい解が得られることへの驚きと気づきが。

伊達先生からは、窪田の著書で触れられていたニッチ戦略への共感と、自社の採用における具体的な取り組み例が述べられました。

次に2つめの対談テーマとして、中小企業が注目すべきポイントについての議論が行われ、伊達先生は母集団の質を高めることについて言及。

共著の『採用の絶対ルール』の中で取り上げた「不問要件」について触れ、窪田から質問された「不問要件をうまく設定できる会社」の特徴を解説。

中小企業が採用で生き残っていくためには企業価値を絶対的なものとして定義せず、候補者ニーズのていねいなヒアリングと、採用と育成両者連動が重要であると説きました。

対談の最後に、窪田は組織の今後について伊達先生の見解を問いました。

伊達先生はメンバーシップ雇用といった問題視されがちな既存のシステムが抱える課題と、一方で日本社会に深く浸透したこのシステムのよい側面を指摘。

キャリアの複線化とそれに伴う「成果主義ではないコースの設定」の重要性について話し、多様なキャリア観が正しく許容されていく社会や、企業の運営組織を作って行くことこそが、日本の企業が直面している最大の課題であると話しました。

すでに著書で触れられた内容を深掘りしただけでなく、採用のプロフェッショナルたちの通念すら凌駕していく伊達先生の知識量と洞察力に敬意を表し、本セミナーは締めくくられました。

ご登壇いただいた伊達先生、一般ではなかなか知ることのできない、研究知見との出会いをありがとうございました!

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Writer この記事を書いた人

ライター  黒田 靜

岡山県在住ライター。企業メディアや会社案内、採用関連、SNSのコンテンツ制作などを数多く手がけている。対面やオンラインでの取材をもとにした、人やモノの背景に深く切り込むストーリー制作が得意。

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