2024年11月7日(木)に、コォ・マネジメント株式会社主催「採用セミナー in オンライン 2024」が開催されました。
第一部では、マイナビなどにも執筆されている人事・組織開発の専門家である神谷 俊氏による、「学生はどうして辞退するのか?」をテーマとしたセミナーが行われ、第二部ではコォ・マネジメント株式会社代表 窪田司を交えた対談を実施。
組織や採用、マーケティング、地域開発といった視点で数多くの調査に携わる神谷氏からは、年間100人もの学生から直接ヒアリングしたデータや、様々な企業から直接リサーチした結果をもとにした、「今」を代弁するたくさんの具体的かつ現実的なエピソードが示されました。
このレポートではこれからの採用において注目すべき学生の心理と、企業が取るべき対策について、神谷氏のセミナー、そして参加者の皆さまと窪田を含めたディスカッションを振り返ります。
第一部 神谷氏による「学生はどうして辞退するのか? ~学生の心理を紐解き、自社の採用を振り返る~」
今回ご講演いただいたのは、株式会社エスノグラファー代表として、組織・採用・マーケティング・地域開発調査事業と、調査を踏まえたコンサルティング事業を運営する神谷 俊氏。
人事・組織開発の専門家として、2021年には日経新聞社より『遊ばせる技術』という自律をテーマにした人材育成に関する書籍も上梓されています。
この日神谷氏は、「学生はどうして内定を辞退するのか?」というテーマに対し、
・辞退要因を振り返る
・いま、企業は何に注力すべきか?
・求められる学生への対応
の3つを解決にむけて取り組むべき課題として示しました。
神谷氏はまず参加者の中から、実際に内々定を辞退した学生からヒアリングした辞退理由を聞き、「何が問題で辞退になっているのか」を明らかにすることを助言。
学生の辞退理由には「働き方への不安」が影響しているとし、インタビューから見えてきた結果として、根源には情報不足があると話しました。
次に「企業は今何に注力すべきか」について、近年の学生は非常に情報収集スキルが高く、「よく探し、よく考える」ようになっていると神谷氏は言い、企業を様々な側面から吟味し、働き方を選ぶようになってきている現状を解説。
採用における「パーソナライゼーション」の重要性を強調し、すでに注力している企業の具体例を挙げ、それによって学生のどのような不安に対し、どのような解決策を見出していけるかを説明しました。
この日印象的だったのは、神谷氏は講義の途中にも、参加者や窪田からの質問に対して具体的に回答していた講義のあり方。
参加者は一般的な学生の心理や、他社における取り組みなどの情報を得ただけでなく、自社の課題に対する具体的な解決方法について助言も得られていました。
講義の最後に神谷氏は、「学生とどう信頼関係を築いて対話を成立させていくのか」という課題に対し、押さえておくべきポイントを提示。
担当者が採用における各段階で自分の役割と、どういった目的で面接や面談を行うのかを明らかにすることによって、学生との信頼関係は構築されていくと話しました。
また信頼関係を築くための「場のデザイン」の重要性についても言及し、参加企業に対しては一人ひとりの学生に対して個別に対話の質を高め、不安を引き出し、信頼関係を構築していくための取り組みを行うよう促し、講義を締めくくりました。
第二部 対談「学生の心理から考える採用」
続く第二部では、神谷氏と窪田が対談を実施しました。
対談は窪田に加え、参加者からの質問に答えていく形式で進行。
参加者からは、「学生がネガティブに感じるような情報を伝えるタイミングや方法」、「内々定の学生のフォローの内容や時期」、「内定後に就活を続ける学生へのフォローの仕方」、「採用力の強い企業が行っている効果的なアプローチの方法や成果」といった具体的な質問が上げられました。
いずれも今、まさに採用の現場に向き合っている企業、そして担当者だからこそ出てきたと感じられる臨場感ある質問ばかりで、神谷氏は質問に対して一つひとつ、調査現場で耳にした学生の声や成功企業の具体的な取り組みなどを紹介。
学生に対して担当者からかける具体的なセリフなども紹介され、質問した企業だけでなく、他社から参加された方も多くの人がメモを取っている様子が印象的でした。
また神谷氏の回答に加え、窪田からは類似した課題に対する取り組みや、岡山にある企業の取り組み、あるいは失敗例なども示しながら、参加者の抱える課題を複数の角度から深掘りしていきました。
中小企業からの参加者が多い中、神谷氏はリクルーターの育成にも取り組み、採用に成功している大手企業がどのようなことを行っているかといった内容も解説。
同じことをするには規模的に難しい一方で、大手企業の取り組みの中には学ぶべきエッセンスも多く、参加者からは自社にどうカスタマイズできるか、考えを巡らせている様子も伺えました。
消化しきれないほどの取り組み例や個別の案を提示した後、神谷氏は「採用は奥深く、難しさも年々高まってきている印象がある」とした上で、「何か一つ、新しいものに挑戦するスタンスを取ると良いのではないか」との言葉を贈り、対談を締めくくりました。
ご登壇いただいた神谷様、 目の前にいる学生の頭の中を覗いたようなリアルな情報とその分析、そして今すぐ使えるフレーズと具体的な取り組みについてのご教示をありがとうございました!
=========
コォ・マネジメントでは個別コンサルティングの他にも、研修やセミナーの実施など広く採用や組織に関わる課題を解決しています。
経営者や採用担当者にご活用いただける情報も随時発信しておりますので、興味のある方はぜひお気軽にメルマガご登録ください。