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候補者との出会い方を学ぶ「採用セミナー in 岡山 2022」講義レポート

  • 2022.11.28
  • 活動レポート

2022年11月2日(水)、コォ・マネジメント株式会社主催、「採用セミナー in 岡山 2022」が本会場とオンラインで開催されました。

第一部では「株式会社ビジネスリサーチラボ」代表の伊達洋駆先生によるセミナーが行われ、第二部では伊達先生とコォ・マネジメント株式会社代表 窪田司が対談を実施。

「候補者との出会い方を学ぶ」をテーマに、研究知見に基づく実践的な手法について学び、各社が採用における課題を検証する場となりました。

このレポートでは「候補者群を集めるための研究知」についてお話しくださった伊達先生によるセミナーと、窪田司との対談の全容をふり返ります。

採用セミナー第一部 「候補者群を集めるための研究知」 伊達洋駆氏

第一部では「候補者群を集めるための研究知」をテーマに、伊達先生によるセミナーが行われました。

この日伊達先生が取り上げたのは、採用のなかでも候補者を集める工程である「募集」。

講義の冒頭で示された「募集に有利な会社」には、参加者全員が「わかってはいたけれど、事実として突きつけられると暗い気持ちになる」条件が突きつけられました。

示された条件は非常に厳しいものであったものの、伊達先生は「これらの属性を持つ企業は、ごく一部の勝ち組である」として採用の特徴を説明。

募集については「これを行えば問題ない」といった強いソリューションは存在せず、小さな改善や工夫の積み重ねが大切になると強調しました。

伊達先生はまた、具体的な対策を講じる前に「応募したくなる仕事」について言及。

「求職者は報酬が良く、昇進できて、楽しい仕事があれば応募する」という、一見当たり前のようでありながら、実は全ての企業が目指すべき方向性について解説。

それら3つの項目が、経営に置き換えたときどういった意味を持つのかを考えながら、本当の意味で募集に強くなるために企業は何に取り組むべきなのかを話しました。

応募を増やす5つの方法

伊達先生は講義の後半、費用を抑えて応募を増やす方法として次の5つを具体的に説明していきました。

まず1つ目の履歴書を求めないことについて、応募時に求職者にとっての負荷が高まると、志望度の高い人しか応募してこなくなるという原則があると解説。

応募に際して求職者に求めている履歴書やエントリーシート、職務経歴書が本当に必要なのかどうか、あるいは応募の段階で必要なのかをまず棚卸しする必要があると話し、応募者の負荷を減らすことがいかに必要な策であるかを強調しました。

2つめの方法として、伊達先生は会社説明会やインターン、一次面接など採用の初期段階をオンライン化することを示唆。

現在の学生には対面での面接が大きな負担となることや、多くの人の実感に反し、オンラインはバイアスを減らすことなど適性の見極めに非常に有効な特徴を持っていることを説明しました。

伊達先生は3つめに、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用といった「攻めの採用」について言及。

序盤に紹介された、採用に有利な企業と同じ方法で戦うのではなく、自ら仕掛けていく攻めの採用を紹介し、必然性を作ることがフィットを伝える有効な手段となると解説しました。

4つめの方法、日常を見せることについて伊達先生が語ったのは、すでに取り組んでいる企業のやり方でもまだまだ不十分であること。

現在、多くの企業が募集時に示している情報は、求職者が入社後の自分をイメージするためには全く不十分であるとし、粗くてもいいから当たり前の日常に関する情報をもっと発信していくことを勧めました。

5つめに紹介された方法は、求職者にとって有益な情報を出すこと。

伊達先生は営業やマーケティングを例に、多くの会社がものを売る際には相手のニーズに寄り添うことを徹底している一方で、採用に関してはプッシュのみになっている現状を指摘。

自社のアピールではなく、求職者のニーズに寄り添った情報発信が、結果的に求職者を惹きつける最短距離になるとし、前半の講義を締めくくりました。

講義の合間には参加者同士の意見交換も。

第二部 【対談】理論と実践から見る地方の採用 伊達 洋駆氏・窪田 司

続く第二部では、伊達先生と窪田が「理論と実践から見る地方の採用」をテーマに対談を実施。

主に参加者からの質問に答えていく形式で、地方企業の抱えるリアルな採用課題に切り込みました。

ここで質問の中心となったのは、伊達先生が講義の中で示した、応募を増やす5つの方法。

参加者それぞれが求職者や時代の変化に戸惑い、苦戦しながらも、自社での奮闘が伝わってくる質問が投げかけられました。

まず伊達先生が示したオンライン化については、オンラインで非言語情報が減る理由を問うものや、見極めのポイントを教えてほしいといったリクエストが。

伊達先生はオンラインと対面で非言語情報が与える影響を比較しながら、バイアスの大小や質について説明し、採用初期の段階でオンラインを勧める理由を、講義内容をふり返りながら深掘りしました。

またオンラインでの見極めについては、構造化面接について解説。

事前に質問項目や評価方法を考えておくことで、見極めの精度を高めていく手法であるとし、その特徴とともにオンラインでの構造化面接のメリットを紹介しました。

また他の参加者からは履歴書を求めないという方法について、「経験を重視する中途採用にも履歴書は求めるべきではないのか」、「履歴書を求めない場合は、何をもとに面接を行えばいいのか」との質問が。

伊達先生は新卒採用と同様、応募時の負荷を減らすためには中途採用にも履歴書は早い段階で求めない方がよいとし、履歴書が与えるバイアスもデメリットになることに言及しました。

さらに履歴書を求めない場合、相手の情報をどう入手すればよいのかについては、面接の構造化に改めて言及。

人材要件の定義と面接での質問項目の設計を通じて、求職者の能力を判断していくことを提案しました。

質問はセミナーの最後まで途絶えることなく挙げられ、伊達先生は窪田からのものも含めて15を超える質問に答え、この日の講義を終了。

終了後も伊達先生のもとには、何人もの参加者が集まって意見を求める光景が見られました。

ご登壇いただいた伊達先生、応募の本質についての理解と、今すぐ自社の採用を見直すことのできる具体的な対策をありがとうございました!

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Writer この記事を書いた人

ライター  黒田 靜

岡山県在住ライター。企業メディアや会社案内、採用関連、SNSのコンテンツ制作などを数多く手がけている。対面やオンラインでの取材をもとにした、人やモノの背景に深く切り込むストーリー制作が得意。

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